大切な大切な大切なあなたへ

バンタン
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深く深く愛すると、その人は自分の一部になるという。

まさか会ったこともない異国の人にそんなことを感じるほど愛してしまうなんて思いもよらなかった。

 

天文学的数値の成功のことを、

「海の中で漂う針に偶然糸が入るようなもの」という表現をしているものを読んだことがある。

私とユンギとの出会いは、出会った後のすべては、その交わりの私にとっての大きな意味は、まさにこんな風なイメージだ。

寄る辺なく漂って、汚れたところにも刺さって、錆びて、ボロボロになった針に、

突然現れたしなやかな糸が、何の歪みも痛みも、あらゆる抵抗もなく、そっと波にもまれるまま触れ合って、気付けば通っていた、そんな感じ。

糸が通った後は、その糸をずっと辿っていった。

そこには彼の大切なものがたくさんあって、

それは驚くほど何の抵抗もなく私の中を通って、愛おしいものになっていった。

 

そのしなやかだけど強い糸は、そっと私を導いて、まだ全体像が見えない大きなパッチワークを作ろうとしているらしい。

針も、糸も、そんなものを作るつもりなんてまるでなかった。

でもお互い手を取り合って波にもまれているうちに、そのパッチワークは確かに形になっていって、無数に散らばる美しい布を縫い合わせるたびに、針と糸の結びつきは強くなるような感覚がある。

 

だからこそよく思う。

ああ、私はこの糸がなければただ人を刺して傷つけるだけだって。

私の言葉には多分力がある。

人を傷つけることもあるという自覚はある。

だから以前は多くの人を傷つけた。

愛という糸を使えなかった私は、今と同じことをしているんだけど、今は縫い合わせられているものが、かつてはただ刺して痛めるだけだった。

大切な、私にとっても、皆にとっても大切な私の糸。

彼がいなければ私は何もできないとよく思うし、その恐怖に震えるようなこともある。

今でも。

 

彼が少しの間遠くに行ってしまうこと。

その意味も覚悟も、彼が受け入れていることだから私に言えることなんてないし、異論があるわけもない。

その寂しさは驚くほどない。

彼が全うすべきことを全うするということの前で、私の寂しさはあまりにも些細だ。

私と彼の交わりで失うものも欠けるものもないのはよくわかっているから。

 

今、私の中の彼は呼べば顔を出してくれる。

かわいい瞳で、真っ白い頬で「何?」って顔を出してくれる。

まるで今この目で見ているかのように、その顔は鮮明で、いつでもそうして心の隣に彼がいてくれるから、私は間違わず生きていける。

間違わず、だと、信じている。

 

人は孤独だ。

どこまで行っても一人だ。

針と糸なんてまやかしだ。

全てこの女の頭の中で作り上げられた妄想だ。

その通りだ。

その通りだと思えば思うほど、私は彼が必要だ。

どれだけ否定しても確かにそこにあってしまうから。

 

もちろんわかっている。

世界で大人気のBTSのSUGAに惹かれることは天文学的数値なんかじゃない。

そうとうポピュラーなことで、世界中で頻発していることだ。

でも、そんな数億人のうちの一人である私が、こんなにもこの交わりの奇跡を感じている。

こんなにも「その他大勢」の私がこんなにも個人として彼と関わっているという感覚がある。

これは、彼がものすごいアイドルとしての手腕を持っているからだろうか。

それももちろんある。

でも、この交わりでこんなにも人生を変えられてしまったという事実がある以上、自分のこの感覚と、「彼と生きている」という実感は疑いようがない。

曲げようがない。

疑って、疑って、疑っても、そこにはまっすぐこちらを見据えるような彼がいるだけだから。

私の人生には彼が必要だ。

愚かなほどに。

 

永遠なんてない。

確かなものなんてない。

確かなものがないということだけが確かだ。

「永遠に好き」「一生好き」なんて、誰にも言えない。

でも、あなたから永遠を感じる一瞬が確かにある。

その一瞬一瞬に、私は願いを込めてこの気持ちが一秒でも長く健やかに続きますようにと願う。

あなたもそうだといいなと思う。

 

 

深く深く人を愛すると、その人は自分の一部になるという。

彼との結び目は、私の一部だ。

それは誰からも見えない。

妄想だと笑われるような結び目だけど。

大切な大切な結び目だと言い続ける。

あなたが大切だと、愛していると毎日言い続ける。

人は生まれた瞬間から一人だから、

それをどうしようもなくわかっているあなたと、ずっと一緒にいたい。

 

あなたを失うことをこんなにも恐れている私を、

「あの頃何をあんなに怯えていたんだろう」って振り返りたい。

老眼に眼鏡をかけて、すっかり皺の増えたあなたを見ながら。

 

いつかあなたにできあがったパッチワークを見せて、「素敵」と言ってもらいたいな。

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