防弾少年団という青年たち 

バンタン
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※この記事は2021年6月13日にnoteに投稿したものの再掲です。

「やっと会えた」
 バンタンを深く知り、彼らを本当に好きになった時、この感情が芽生えた人は多いんじゃないだろうか。


 防弾少年団、通称BTS。彼らのファンの呼称はARMY。しかし、日本のファン(イルアミ)はBTSと呼ぶ人は少ない。大抵は「バンタン」と呼んでいる。よって、私もいつも通りバンタンと書かせてもらう。

 私はいわゆる「Dynamite新規」だ。2020年を代表する曲「Dynamite」からバンタンにハマったARMYをこう呼ぶ。昔から彼らを推している方々にとっては新規の言うことは少し鼻につくところもあるかもしれないし、間違った情報もあるかもしれない(無論最新の注意は払うが)。彼らについて書かれている記事なんて世界中に何万もあるし、noteにも既に山ほどある。彼らの詳しい年表やら経済効果やら手にしたトロフィーの数々はウィキペディアを見てもらった方がいい。だけど、私の人生を救ってくれたバンタンを、LOVE MYSELFを教えてくれたバンタンの8周年を、私なりにどうしても祝いたいと思ってつらつらと書かせてもらった。世界一幸せになってほしい大切な7人を、私の言葉でどうしても語りたくなった。
 2021年の頭に何気なく見たDynamite、気付けば何十回も再生して、YouTubeで関連動画を見漁った。バラエティでの面白さがハマるきっかけだった。え?こんな大スターなのにこんなに全力でバラエティしてるの?こんなに長く話してくれる配信をしているの?それ無料で見れる(VLIVE)の?何百時間あるのこれ?は?というのがハマりたての頃の驚き。それからTwitterでの夥しい数のセルカ、様々な歴史、自分で曲を作っているという事実、曲とパフォーマンスの素晴らしさ、それぞれのメンバーの愛くるしい個性、兄弟の関係性の可愛らしさ、強さ、LOVE MYSELFのメッセージ…という順に知っていった。


 2013年6月13日にデビューした7人グループ防弾少年団。
 穏やかで優しく知的なIQ148、グループ結成のきっかけになったほどのスキルを持つラッパー、長身でスーパーモデル並みのスタイル、複数の言語を操る完璧人間かと思えばすぐに物を壊し、無くしてしまう愛すべきリーダーRM。
 顔を出す度に世界中で記事になる「ワールドワイドハンサム」。美しい高音ボーカルを得意とし、長身で広い肩幅、美しい顔は正に王子様。グループ最年長で弟達にいじられがちな愛すべき長男JIN。
 超高速ラップスキルでオーディションを突破した苦労人の元裏方志望、天才作曲家で天才ラッパー、ダンサーとしても超一流、プロデュース能力も超一流、けれど私生活では極力動かず、寝てばかりの通称おじいちゃんことSUGA。
 幼い頃から踊り続け、世界に通じるヒップホップダンサー。ラップは未経験にも関わらずテクニカルなラップも歌いこなし、いつも場を盛り上げ、楽しい空気を作るのは超一流。皆の希望J-HOPE。
 芸術高校の舞踏家に首席入学するほどの超一流ダンサー。少しハスキーな独特な高音ボーカルは一度聴いたら忘れられない不思議な魅力。各ブランドからラブコールを受ける「天使」JIMIN。
 世界一ハンサムな顔に何度も選ばれている彫刻のような美貌。地声は低音ながら高音も自在に使いこなす魅力的なボーカルとセクシーな表情。誰もを虜にせずにはおかない無垢な可愛さが同居する不思議な「四次元5歳児」V。
 歌もダンスも超一流。出来ないことはない「黄金マンネ」。6人の兄達に大切に育てられた思いやり溢れる青年。ARMY大好きでコンサートにかける思いは一番。無邪気な可愛さと誰も叶わない圧倒的な才能を持つJUNGKOOK。
 こんなに様々な才能を持った7人がたまたま出会い、同じグループとしてデビューした時点で奇跡は始まっていたんだと思う。

 なぜ彼らが好きなのか。入り口は多岐に渡る。曲を聴いていいと思った、ダンスを見てすごいと思った、顔を見てかっこいいと思った、他にも上げればきりがない。だけど、彼らに真に「沼入り」する理由はとにかく彼らの「人間性」と「歴史」、「曲を自分たちで作っている」ことによるところが大きい。
 彼らはワールドスターだ。全員若くして成功を手にした億万長者で、今までひたすら上昇してきて様々な賞をもらって国連でスピーチまでしている。ワオ。ビートルズの再来と言われ、アジア人初の快挙をバンバン成し遂げている。
 それなのに、彼らはどこまでも親しみやすい。決して初心を忘れず、メンバーを、スタッフを、ARMYを愛し、バラエティでは全力で、頻繁にSNSでセルカを上げてくれて、VLIVEではごく普通の青年のような日常の顔も見せてくれ、曲の中に惜しげもなく大スターの苦悩を書く。ひたすらパフォーマンスを磨き上げてきた世界に通じるプロ集団としての顔と、大切な友達や息子や恋人のような距離感を同時に感じさせてくれる。さっきまであんなにかっこいい、人間業ではないようなパフォーマンスをしていた青年が、くだらないことで友達とふざけて喜んでいる姿が地続きで繋がっている。それはどこまでも暖かで素直で勤勉で謙虚な彼らの人間性がなくては成り立たない。


 なぜそんなアーティストが育ったのか。それは、2つ目の大きな沼ポイント、彼らの「歴史」にある。
 彼らのデビュー時は決して恵まれた環境とは言えなかった。小さな事務所で経費も限られ、知名度も無いため放送では何度もカットされた。先輩ラッパーにはアイドルラッパーなんてと面と向かって馬鹿にされた。「すぐに消える」「おかしなグループ名」と言われたい放題で、曲もパフォーマンスも良くても、固定ファンがついても、なかなか音楽チャートで1位は取れず、今の大成功からは考えられない辛酸を舐めてきた。そもそも事務所がアーティストの質に拘っていたためなかなかデビューできず、親元を離れてまだ幼い彼らは大人数で共同生活をしながら毎日ハードな練習をこなしていた。

 冷笑や冷遇に耐え、不当な扱いにも誠意で応え、リーダーとして歯を食いしばってきた18歳の少年。
 筋肉がつきにくい体質のため、食べるのが大好きなのに厳しい食事制限をし、寝る間を惜しんで筋肉作りをした20歳の少年。
 事故に遭って肩にその後長くつきまとう怪我をし、メンタルに問題を抱え、それでも毎日練習に励み、曲を書き続けた20歳の少年。
 コンテスト経験があるからパフォーマンスで仲間を引っ張ろうと必死に努力し続けた19歳の少年。
 毎日4時まで練習をして、6時に起きて学校に行くほどハードな生活をしてもなかなか認められず、クビを恐れながら戦い続けた17歳の少年。
 非公開メンバーとして2年もの練習生期間に顔も出せない中、必死で練習し続けた17歳の少年。
 まだまだ子供なのに、グループと会社とメインボーカルを背負って兄達に守られながら必死に戦ってきた15歳の少年。

 彼らは最初はとにかく毎日喧嘩をしながら幼いながらも解決する方法を模索していった。そして自分たちの力で解決する方法を見つけてきた。誰に言われたことでもなく。その試行錯誤と自分たちで結果を出してきた経験はその後の活動で生かされてきた。
 長々書いたけど彼らの人間性が素晴らしいのは正直、説明することは難しい。本当に奇跡なのだ。この素晴らしい優しさを持った7人が揃ったことが奇跡。趣味も、音楽の好みも、経験も、出身地も、全く違う7人が、本当にたまたま同じグループになり、兄弟になった。ビジネス上仲良くして見せるグループもある中、彼らの絆が、語り合うその姿が、言葉が本物だから、私たちはこんなにも惹かれるんだと思う。


 そして個人的には非常に大きなポイントだったのが「曲を自分たちで作っている」ことだ。あれだけハードなダンスをし、歌唱力も信じられないほどあり、容姿も美しい彼らだ。正直、曲まで作る必要はないのだ。
 けれどそこはデビュー時からブレない。基本的にはRM、SUGA、J‐HOPEが作詞作曲の主力で、事務所の社長を加えた作曲チームで曲を作っているが今は他のメンバーも曲を書いている。これだけ曲に自分たちのメッセージがすぐに直接反映して、事務所もアーティストファーストで意思疎通が完璧に出来ているアーティストを、少なくともこれだけの規模では私は知らない。
 そして、何よりそのメッセージにARMYは魅了されている。彼らの心理状態がそのまま反映された楽曲たちはストーリーを持ってアルバム数枚をかけて語られる。

 中でも彼らがここ数年強く訴えているメッセージが「LOVE MYSELF」自分を愛そう。というものだ。この言葉は彼らが行った国連のスピーチの中にも登場する。
 「誰かを愛している。愛したい」というメッセージが含まれた曲は世界中に溢れている。「自分を愛そう。ありのままの自分を愛そう」というメッセージがあるものもたくさんある。だけど、それに加えて「ありのままのあなたを僕たちは愛している」と背中を押してくれる存在がいただろうか?
 いかに人生が辛くて、上手くいかなくて、孤独で、自分を憎みながら生きているか認めてくれて、共感してくれて、それでいい。僕らも一緒だ。僕らにとってはあなたは特別。一緒に自分の愛し方を探していこうと歩んでくれる存在があっただろうか?
 彼らが一緒に探そうと言ってくれるから、自分の愛し方を示してくれるから、私は自分の愛し方を探そうと初めて本気で思った。そこには彼らの葛藤と挫折と嘲笑を越えて必死に辿り着いた境地だと知ったから。愛していると言ってくれるから。
 たかだアイドルがリップサービスで言っているだけだと思う人もいるかもしれない。仕方がない。これは彼らの言葉を聞いた人じゃないとわからないと思う。その声色、表情、心の内側まで曝け出して受け入れてくれるような姿。一度じゃない。何度も何度も何度も、ありとあらゆる瞬間に彼らは愛していると伝えてくれる。大切だと言ってくれる。最初は当然斜めから見ていた。でも徐々に彼らの言葉が本当に心から出ているのがわかるようになってくる。信じられるようになってくる。自分を無条件に受け入れてくれる人とやっと巡り会えたような気持ちになる。
 愛を感じるのが難しい世の中だと思う。ことに日本では面と向かって誰かに愛しているというのはまだおかしなことだという認識がある。共感をするということのハードルがすごく高いと思う。何かひとつでも理解できないことがあれば共感してはいけないような気すらする。
 でも、皆愛されたがっている。愛を求めている。何より、自分で自分を愛したいと思っている。どうしたら自分を愛せるのか探している。少なくとも私はそうだ。だから、こんなにも愛を感じさせてくれるバンタンが、言葉や国籍や年齢や宗教を越えて愛されているんだと思う。


 さて、ここまで好き勝手に私のバンタン愛とそのポイントを語らせてもらった。沼入りしそうな人はもっと沼に足を踏み入れるひとつのきっかけになったり、既に沼の住人には「そうそう!」と頷いて読んでもらえたら嬉しい。(もしも内容に間違いがあったらこっそり教えてほしい。)
 あ、ちなみに私はがっつりユンギペンです。

 8周年おめでとう。世界中があなたたちを愛してるよ。
 あなたたちと一緒なら人生は蜂蜜のように甘い。

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