人生のどん底で推しに出会ってフォロワー7000人になった私⑫ 「イロさん」の誕生

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人生のどん底で推しに出会ってフォロワー7000人になった私⑪ はじめての「推し」
Dynamiteとの鮮烈な出会いを経て、その日だけで50回はMVを見たと思う。息子をあやしながら、抱っこしながら、ご飯を食べさせながら、息子が寝てから。何度も何度も見た。

 

 

いよいよTwitterの使い方を考え直さなくてはいけなくなってきた。

 

BTSのかっこよさ、かわいさについて話したくてたまらないし、流れてくるおびただしい量の写真や動画にいいねし続けていくうちに今までのBLアカウントではフォロワーさんにもいいねが流れまくってしまって迷惑をかけるので、BTS用のアカウントを新しく作った。

そこでちまちま呟いて、写真を見て、他の方のツイートを見て笑って、感動して、ARMY(BTSのファン)同士の繋がりに感動したりして、あっという間に沼にはまっていった。

 

ARMYは本当に人懐っこい。

今までいた界隈はBLで、そこの方々は人の領域にやたらと踏み込まず、基本的に敬語で、人は人、我は我という雰囲気があった。

冗談を言って笑うよりも何年も前の供給を何度も味わいながら「ここがいい、ここが尊い」といつまでも話していたいような雰囲気だった。

そういう雰囲気はどのオタク界隈にもあるし(もちろんARMYの中にもある)、オタクの本質はそれが主流だと思ってもいるが、推しの可愛さ、かっこよさに悶えながら最新の供給を追い、お互い肩をバンバン叩きながら笑っているようなARMYの仲の良さは衝撃だった。

 

ジャニーズ等のオタクをしたことがないので他のアイドル界隈と比べられなくて申し訳ないのだが、ARMYはとても親しみやすい。

BTSの姿を毎日見ているためか、「あなたのここが素敵」「そういうところ大好き」と言うのを厭わない。ものすごく頻繁にそういう言葉が飛び交っている。

私もこういうところで誰かと仲良くなってみたいな、ユンギが好きな思いに共感してもらえたら嬉しいなと思った。

 

更に、すぐに気付いたことは、人懐っこくてエネルギッシュなARMYも、誰推しかでなんとなくの傾向があることだ。

 

ナムペンは知的でママ感がある。

ジンペンはかわいいもの好きでやや皮肉っぽい。

ホビペンはバリキャリの匂いがするいい女。

ジミンペンは社交的で一番Twitterを楽しんでいる感じ。

テテペンは女子っぽくて繊細そう。

グクペンはスタイルが良くてエネルギッシュ。

そしてユンギペンは一番オタクらしくてうるさい(笑)

でもそのうるささの中に、「この人たちはネットではこんなに騒いでいるけど実際は大人っぽくていい人なんだろうな」と思わせる要素がある。

 

 

そして忘れもしない2021年5月5日、

「ユンギペン、Twitterではうるさいオタクだけど実際に会ったら大人っぽくて優しい人たちなんだろうな」みたいなことをTwitterに書いた。

その日は確かAbemaでGW限定無料配信でBTSの初期の頃の日本公演を見られた。WAKE UPだったかな。

息子を寝かしつけた後にコンサートを見始めてしばらくした頃、Twitterの通知が鳴った。

 

さっきのツイートにいいねがついたらしい。嬉しい。

あ、今度はフォローしてくれた人がいる。

「なんだこの優しい人!即フォローだ!」だって。嬉しい。お返事しよう。

あ、またいいねだ、あ、またフォローだ

え?なに?何これ?

 

2時間以上の公演映像を見ている間、Twitterの通知は鳴りっぱなしだった。

いいねが100件以上つき、フォロワーさんが数十人増えていた。

こんなことは初めてだった。

BTSのファンダムの大きさを初めて実感した瞬間だった。

 

 

そう。私のフォロワーさんが7000人に増えた1番の要因は私が何か特別な人間だったわけではない。

BTSの公式Twitterのフォロワー数は4700万人。世界的なファンダムの規模はすさまじい。

元々BTSはSNSでファンとの繋がりを大切にして伸びていったグループということもあって、今でもファンとBTSとのSNS上の繋がりは強固だし、ファン同士で毎日盛んに情報交換が行われている。

 

「BTSのファンダムが巨大」で、「活動的なファンダムだったこと」が私がフォロワーを増やせた要因だ。

現に、BTSのファンダムではフォロワー1万人以上の方は100人以上いる。

 

 

 

話を戻そう。

それからもちまちまそのツイートは伸び、いいねとフォロワーさんが増えていった。

その頃はTwitterに「スペース」という機能ができた頃で、

(※スペース機能とは、Twitterの中でラジオのように音声配信ができるサービス)

当時はフォロワーが600人以上いないとホストになれなかった。(今はフォロワー制限は撤廃されている)

けれど、当時まだまだフォロワーが200人ちょっとだった私と話してくれたお友達がいた。

彼女はフォロワー1000人以上で、私から見れば雲の上の人だった。

すごいなあ、どうやったらフォロワー600人なんて越えられるんだろうと思っていた。

でもその時のスペースで仲良くなれた子もいて、もっと人脈が広がった。

人脈が広がるともっともっとTwitterは楽しくなっていった。

 

そのあたりでButterが発売されて、初めてのカムバ(KPOPでは新曲発売のことをカムバック、略してカムバと言う)に皆で大盛り上がりし、お祭りムードを楽しんだ。

今までだったら写真一枚見るたびに「ああ、素敵‥」と思って、誰に届くかもわからないツイートをぽんと空に投げていただけだったけど、

一緒に「かっこよすぎる」「スタイリングが良すぎる」「ていうかこの曲ものすごく好き」と夜通し語り合えるような友達ができて本当に本当に楽しかった。

 

 

嬉しくなった私は何かTwitterで修行をしてみたくなった。

ただ楽しませてもらうだけじゃなくて、人に楽しんでもらいたい。

そして1ヶ月間、雑談ではなく、毎日何らかのネタツイートすることにした。

写真で一言のようなものだったり、考察だったり。

更に「タグ付け」という技術も覚えて「#バンタン大喜利」というタグでツイートしたりしてみた。

「これは修行だ」という意識でやっていたので、とにかく1ヶ月続けることが目標だった。

いいねの数は最初が1番多くてどんどん減っていったが(これはどんなものでも続けていくとフォロワーさんが飽きてくるから起きる現象)、

途中でとんでもない爆発をした。

 

「ここ数週間TLを彷徨って見かけた各ペンの印象」というツイートが爆伸びしたのだ。

BTSのメンバーのファンそれぞれの印象に何となく共通の匂いのようなものがあるのは先述した通りで、それを感じたままに書いたのだ。

本当にテキトーに10分くらいで書いた。

そして、それがツイートすると同時に通知が鳴りやまなくなった。

あの時と同じだ、と思ったが、今度は半日経っても鳴りやまない。

もう怖くなって通知を切ってしまった。

そして、そのツイートは1日でいいね400件、引用RT数十件された。リプもたくさんきた。

 

今こうして見れば大した数じゃないんだけど、それまでいいねが100件越えたツイートが1つあるだけで、相互フォロワーのみで200人くらいで世界の片隅で適当なことを言っていただけの私は

「私の身にこんなことが起こるの??!」と宝くじでも当てたような気分だった。

フォロワーさんもすごい勢いで増える。

そして数日で「どうやったら越えるんだろう」と思っていたフォロワー600人を越えた。

 

そこからは1カ月アウトプットのツイートにも今までの比にならない数のいいねがつき、1カ月アウトプットを終えた。

そして私は「1ヶ月Twitter上でアウトプットし続けられた」という小さな自信がつき、フォロワーは800人を越えた。

更に、「私は洞察力があるのかもしれない」という今まで思ってもなかった自分の長所にも気付くことができた。

 

 

この経験を経て私は気付いた。

人は、自分の話をされるのが好きだ。

推しよりも、ファンの人となりをツイートした時の伸び方はすさまじかった。

それは今でも変わらない。

「このメンバーって〇〇だよね」とツイートするよりも、「このメンバーのファンって〇〇だよね」とツイートした方が喜ばれる。

皆、自分の話をしてほしいから。

 

BTSのファンダムは巨大なので、なんとなく日本のARMYの中でも住み分けている界隈があって、

その中で仲がいい人、考えが合う人がなんとなく集まる感じなんだけど、フォロワーが1000人を越えると、それなりにその界隈では認知されるようになる印象がある。

「よくツイートが流れてくるあの人」になっていくのだ。

勿論Twitter歴や人脈などでフォロワー100人くらいでも「よくツイートが流れてくるあの人」はいる。あくまで1000人というのは私の体感したなんとなくの数字だ。

 

 

それにしても、こんな風に数字で何かを成し遂げたのなんて、営業をやっていた時以来だ。

結婚生活で上手くいかず、産後鬱になっていた私が、何にもやりがいを見いだせなかった私が、こんなに目に見えて何かを現在進行形でやれている、ということが嬉しくてたまらなかった。

何の価値もないとされていた私の感覚や、洞察や、文章力を評価してくれる人がたくさんいる。

 

何より人と文章でといえ毎日話ができる。

毎日毎日話しても言葉が宙を舞って受け取ってもらえず消えていくような日々を過ごしていた私にとって、まず、誰かが「受け取って、返してくれる」のが嬉しくてたまらなかった。

人との縁が希薄で、誰かに「好きだよ」と言ってもらえることなんてなかった私が、私もこの人が大好きだなと思える沢山の人と縁ができた。

Twitter上で知り合った大切な友達を心から大切に思っているし、この縁が細く長く、できるだけ長く続けばいいなと本気で思っている。

 

誰よりも私はTwitterを楽しんでいたと思うし、今でも私がTwitterをとても楽しんでいるのはここへの感謝が一番強い。

 

 

けれど、ちょっとずつ戸惑うことも増えてきた。

沢山の方が毎日リプをくれる。それに返信したい。でも、数が多くてなかなかすぐにはできない。

フォロワーさんの数もどんどん増えて、全員を把握するのは不可能になっていた。

300人くらいまではアイコンと人となりが一致していたけど、600人を越えた頃はもう不可能になっていた。

本当に申し訳ないのだが、前話した時敬語だったかタメ口だったかも思い出せない。

 

どうしよう。と考えて、というか、考えながら毎日Twitterを使っていて、

「Twitter上の人格」を誕生させてしまうのはどうだろう、と思いついた。

 

そこで私の性格と矛盾せず、よりTwitterを楽しめそうだなと思ったのが、

現実にはあまりいない「典型的なセクシーなお姉さん」。

知的でユーモアがあってセクシーでサバサバしているお姉さん。

私が憧れているタイプの人でもあるし、でも彼女も確かに私で、私が本来言いたいことを言ってくれる人。

彼女は「~でしょう?」「~だわ」「冗談じゃないわよ」というようないわゆる「女言葉」を使い、誰に対してもタメ口で面倒見がいい。

そうそう、私、こんな人になりたかったの。と思って、ある日突然ツイートの言葉遣いを変えてみた。

そうすると既存のフォロワーさん達からもさほど驚かれず、もっと面白がってもらえて、より認知されやすくなり、フォロワーさんは増えていった。

そうして少しずつ、Twitterの中に「イロさん」というお姉さんを確立させていった。

 

更にいいことは、イロさんは誰に対してもタメ口なので、

「この人と前話したことあったっけ?タメ口だっけ?敬語だっけ?」と、悩む必要がない。

誰からリプやDMが来ても「あら〇〇ちゃん私もそう思うわ」と返せるという思いもよらないメリットがあった。

 

現実の私は冴えない田舎の奥さんで、毎日育児と家事で精一杯で色んなメンタルの困ったことも起きているけど、

Twitterを開けば、1000人以上の人に愛されている「イロさん」になれる。

 

「イロさん」の誕生は私を救った。

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