2025年が終わる今朝、
7時半に目が覚めて、
急に感謝が溢れて止まらなくなった。
走馬灯のように人生のさまざまな場面が
流れて行った。
全て大切な時間だった。
息子が赤ちゃんだった時。
腹ばいで飛行機みたいに手足を持ち上げるのが上手だった。
私が泣いている時にニコニコしてくれていた。
スコップで雪かきをしていた。
私をさまざまな方法で守ってくれていた夫。
新婚旅行で行ったヨーロッパ。
半分は死んでしまったけど、
かわいくて甘えん坊だったうちの猫たち。
生活能力のない私にいろいろ教えてくれたお義母さん。
切迫早産入院中にたくさんお世話をしてくれた義理妹ちゃん。
一緒に育った弟。
大切な初めての愛犬。
私にやりたいことをやらせてくれた母。
私に「自由」とはどういうことをかを教えてくれた父。
愛を一度も疑ったことがないおじいちゃん、おばあちゃん。
「よかったなあ」と微笑む、これまでの恩師たち。
私の人生を変えてくれた大切な人。
彼を通して知り合った大切な人たち。
大切な相方。
暖かい部屋で、暖かいベッドで眠れること。
好きな時間に仕事ができること。
着るもの、食べるものに困らないこと。
全てある。
私はこれまでこんなに恵まれてきて。
でも今手放そうとしているものもあって。
「大切だけど今はもう選ばないもの」
「もう戻らないもの」
に囲まれていたいけど。
「いやでも進むよ、大丈夫？」
「もう戻れないけど大丈夫？」
と、問いかけが聞こえるようだった。
私はこれから、これまで大切にしていたものに
場合によってはとても失礼に、
切り捨てるようなことも言ったりしたりするだろう。
本当は「忘れないで」と言いたい。
「勘違いしないで」と言いたい。
「みんなのことを大切に思っている」と示したい。
でも、私は私で進んでいくね。
勧酒 （于武陵）
勧君金屈巵
満酌不須辞
花発多風雨
人生足別離
コノサカヅキヲ受ケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
ハナニアラシノタトヘモアルゾ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ
（井伏鱒二訳）
全てに感謝して。
2025/12/31 イロ
12年前にヴェネツィアのゴンドラの上で新年を迎えた忘れられない瞬間の写真を添えて。
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